これは私の感想です。

映画好きがあーだこーだ書くだけ。雑記。

『犬鳴村』ホラー苦手でも全然観れる。ホラーに期待した僕は……。【あらすじ感想若干ネタバレ】

きゃんどぅです。

 

今回は、『呪怨』などで有名な清水崇監督の『犬鳴村』をレビューしていきます……。

 

 

 

作品情報

f:id:cando_roid:20210815180648j:plain

ブライアンが見える見える…。

題名:『犬鳴村』

監督:清水崇

脚本:保坂大輔清水崇

出演:三吉彩花坂東龍汰高嶋政伸など

 

公開日:2020年2月7日

上映時間:108分

 

三行あらすじ

犬鳴村に行ったら

とんでもない村人がいっぱい

わんわんお!(∪^ω^)

 

配信情報

アマプラで観られます。おふざけである恐怖回避ばーじょんもついでに観られます……。

犬鳴村

 

ザックリ評価

★★☆☆☆

 

ネタバレ無し/未見向け感想

いつからホラー映画=怖いと錯覚していた?

f:id:cando_roid:20210815180849j:plain

 僕、これ劇場に観に行ったんですよ。めっちゃ期待してたんですよ。出身が福岡ってこともあって、都市伝説は耳タコなほど聞いてきてたし、監督作の『呪怨』はトラウマレベルに怖かったしで、期待感爆上がりじゃないですか。

 

 

 どうしてこうなった!?ってのが正直な感想。いやね、途中までの「お、ちゃんとしてるのでは…?」感は異常なのよ。ただ、うん、ガッカリ感が強かった…。怖がりたくても怖くないからしょうがない…。

 それでもあえて褒めるならこう言いましょう。

ホラー苦手でも観れるよ!!

 

 ネタバレを避けて色々言うのは難しいので、とりあえず印象に残ったシーンを以下列挙。

 

・冒頭の犬鳴村潜入シーン

・フワーッ!

・電話ボックス

・残像だっ…!

・お前、触れるのかよ…。

 

ネタバレ含む/鑑賞者向け感想

<あと5行>

 

<あと4行>

 

<あと3行>

 

<あと2行>

 

<あと1行>

最高の材料を腕利きの監督が消化したらちゃんとオソマになりました!!!

f:id:cando_roid:20210818061932j:plain

この映画は食べられないオソマ

 怖くないんですよね、マジで。面白くないんですよ。カレー味のカレーを食いに行ったのに、うんこ味のうんこを出された感。

 ホラー映画としての出来もさることながら、映画としてもどうなんかな~~~って。ツッコミどころとかじゃなくて、話として思うところが多すぎる。

 

 序盤はめちゃくちゃ良いんですよ?鉄塔からの飛び降りはさすがにビビったし、電話ボックスで溺れ死ぬシーンはほっぺたが落ちる(物理)部分含めてホラー出来てた。だから後半に対する期待もしてたんですけど、なんかホラー映画としての失速がすごかった。レジギガスの逆。尻下がり映画。

 主人公が幼い頃から視えていた幽霊?守護霊?は突然実体化して現れるし、犬鳴村に取り残されたと思ったら普通にお墓に現れるし、重要なキャラクターっぽいのに扱いが雑すぎて何もわからない。

 さらに表現面で言うと、襲ってくる霊たちに残像をつけるのはあまりにもチープで怖さを感じない。シュンッシュンッって感じに動かれたら、何かそういう異能持ちなんじゃねえかという思考のノイズが入ってしまう。もしかしたら怖さを軽減して万人受けするように作っているのかもしれないが、それが面白さに繋がっていないなら本末転倒だ。どうせなら、思い切り怖がらせに行った方が観た人にとっては満足感をより得られると思う。まあ思い返してみたら、清水崇監督は呪怨の頃から「やりすぎて怖くない」をやってしまう人だから仕方ないかもしれないけど…。

 

 一番気になったこととして、犬鳴村の村人の扱い。上述の守護霊さんが村の記録をフィルムで見せてくれるときに、「ダム建設を強行した電力会社の奴ら、村の人々が犬とまぐわってるって噂を流しやがったんだ!!!」って言うじゃないですか。これを聞くと、あることないこと言われて差別された不憫な村なんだなあ、って思えるんですけど、後半で実際行ったら本当に犬との混血っぽい描写が出てくると。じゃあそれ噂通りじゃん!ってなるわけですよ…。

 あくまで犬鳴村の住人が犬と交わっていたというのはただの噂であって、実際は善良な市民だった。しかし「ダムで村を沈められた怨念」で人を襲う悪霊になってしまった……ということにしないと、元ネタの都市伝説からも少し外れているうえ、実在していたかもしれない村に対しての敬意が全くなくなってしまう。ダム建設を強行した電力会社の者が劇中で行った差別を、映画の中で肯定してしまっては電力会社と村のどちらを批判したいのかが分からなくなってくる。

 

 あとはここをもう少し生かせれば面白くなったのかな?という点として、終盤主人公たちが助けてきた赤ちゃんの扱い方をもっと上手く出来てたらな~~と思った。赤ちゃんは実は彼らの祖母で、主人公らが犬鳴村に行かないと主人公は生まれてこなかった、と助けたことに重要な意味を乗っけてたクダリがある。ここで映画全体のストーリーに深みを持たせたかったんだろうな~とは思ったんだけど、如何せん描写が中途半端すぎてタイムリープ要素があまりにも唐突に感じてしまった。

 この映画が狙っているターゲット層がコアな映画ファンであるなら、どの地点がタイムリープの境目になっているのかとか、じゃあ元の時間軸のおばあちゃんは誰にどうやって助け出されたのよ、などのポイントを考察する材料や伏線があるべきなのよ。もしもターゲット層がライトな鑑賞者であるなら、こんな小難しい展開はノイズにしかならない。特に感動できるような見せ方もしてないから、なんだか取ってつけた感が強くなってしまっているように思う。正直、高嶋政伸パートをカットしてここをもっと丁寧にしてほしかった。2時間弱もあるんだから。

 

 ただ褒めるべき点もあって、実際の犬鳴峠・犬鳴トンネルをドローンで撮影したエンディング映像と、Ms.OOJAが歌う主題歌の「HIKARI」はとても良かった。やっぱり実際の現地映像となると「何かヤバそう」感がひしひしと伝わってくるし、主題歌のキレイなんだけどどこか不気味さもある雰囲気がベストマッチしていて、鑑賞の後味をスッキリなものにしてくれている。

 この部分は単体の映像として良いものだから、オープニングで流されてたら本編への期待感がますます上がっていたことだろう。だから、エンディングでよかったです…。

 ちなみにこのエンディング映像は丸ごとYouTubeに上がっている(公式です)。一度鑑賞した方も、本編観てない方も是非是非観てはいかがでしょうか。トンネル前のブロック塀にナニカが映っているらしいっすよ?(未確認)

 

おわりに

 いかがだったでしょうか。この作品を好きな方に対しては非常に失礼な評価だったかもしれませんが、自分は鑑賞前のハードルが高かったせいでめちゃくちゃ残念でした。これから邦画ホラーを観るときはあまり期待をせずに観ると思います。どうせホラーを観るなら、日本人だからこそ怖がれるじっとりしたものが観たかったんや…モンスターホラーみたいなやつはいらんのや…。

 清水崇監督には、ぜひビデオ版『呪怨』の階段シーンを超えるような恐ろしさを生み出してほしいんすよね。やっぱり怖がりたいから観るんすよ。頑張れ、ジャパニーズホラー。

 

 最後に言わせて。恐怖回避ばーじょんも観ました!!!!!