『ワイルド・スピード ジェットブレイク』スケールの大きさが天元突破して○○映画になっちゃった【あらすじ感想若干ネタバレ】
きゃんどぅです。
今回は、大人気映画シリーズの9作目『ワイルド・スピード ジェットブレイク』のレビューをしていきます!
作品情報
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(原題: F9: The Fast Saga)
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ、東宝東和
監督:ジャスティン・リン
制作:ダニエル・ケイシー、ジャスティン・リン
出演:ヴィン・ディーゼル
ジョン・シナ 他
公開日:2021年5月19日(全世界)
2021年6月25日(米国)
2021年8月6日(日本)
↑もとは2020年5月予定でした
上映時間:145分
あらすじ
シリーズ8作目『ワイルド・スピード アイスブレイク』から5年後。ドムとレティは人里離れた郊外にて、ドムと故・エレナの間にできた息子・ブライアン(リトルB)を大切に育て、平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日、ファミリーであるローマン、テズ、ラムジーの三人が訪れる。久々の再会を喜ぶも、彼らの用件は喜ばしいものではなかった。
前作で捕らえたはずの天才ハッカー、サイファーが逃走し、ある重要な積荷を載せた航空機を襲撃したのである。暗号化して送られてきた動画には、そこに乗っていたミスター・ノーバディからのSOSメッセージが記録されていた。
彼を助ける任務を果たすため、再結集を持ちかけられるドム。しかしやっと掴んだ平穏な日々を手放したくない思いから、任務への参加を拒否する。
それでも何か手がかりを見つけようと、動画を詳細に見ている中、ドムはある物を目にする。
そこにはドムの弟である、ジェイコブのロザリオが映っていた――――。
ザックリ評価
★★★☆☆(星5つ中3つ)
詳細評価
ストーリー 30/100点
映像 90/100点
音楽 85/100点
キャスト 90/100点
ファミリー力 100/100点
Don't think, feel.度 100000000000/100点
スター・ウォーズのクダリ 長い
ネタバレなし/未見向け感想
そうはならんやろ→なっとるやろがい!の精神
ぽっと出のキャラクター、ツギハギな展開、キャラクターの雑な扱い、とりあえず車壊しとけ…
考えるな、感じろ。
雑でいいのよ、ワイルドに行こうや。映像がドッカンドッカンしてれば満足するから。
シリーズのファンで、とりあえず派手な映像が見たい!ファミリー最高だぜ~~~~!!っていう方はとにかく観に行って。まだ予告編も見てないようならぜひ見ないまま行ってほしい。今回一切の前情報を入れずに行ったら、あまりのおバカ映像の連続で終始笑って観れました。
ヴィン・ディーゼルとドウェイン・ジョンソンのリアルな喧嘩のせいで、ホブスが作品に出てこないのはかなり残念。だけども、もはやミッション・インポッシブルやダイハードを超えるド派手な映像の連続でそんな感情を打ち消してくるからセーフ。言いたいことや不満点は多いけど、結局映像面でカバーするからええんや。
以下、自分が映画館で笑っちゃったシーン列挙。ネタバレではないけど何も知りたくないなら今すぐブラウザバックして映画館の席を取れ。
笑ったシーン
・車でターザン
・飛行機で車キャッチ
・何しても死なないローマン
・電柱、ポキポキッ!w
・磁石で車挟んで背負い投げ~~~~!!(IKKO)
・両手で8人位を受け止める超人ドム
・何しても死なないドム
・アメコミヒーローかっこいいポーズドム
以下、ネタバレ含んだ感想です。
ネタバレあり/鑑賞者向け感想
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いや、だがそれがいいとは言ったけどね?
規模を大きくするために無理しちゃった典型みたいな作品。車が空を飛ぶ、潜水艦が氷河を割る、映像の派手さとリアリティのバランスはここまでが限界なのかなあ…。
流石に、宇宙行ったら終わりよ。
しかも、そのスケールの大きさに肝心の映像がついてこれてない。メインシーンに据えるようならもう少ししっかりと組み立ててほしかったな、というのが正直な感想。今作のマクガフィンとして登場するアリェスがありとあらゆるコンピュータに侵入できるから、衛星を乗っ取って世界を支配しよう!と行動する敵に対して、ドムたちはそれを阻止するために宇宙に出る(実際に行くのはテズとローマン)んだけど、別にその必要性を感じない。
今作、全体的に説得力が皆無なんですよね。説明もないからシーンごとにハテナが浮かびつつ進行してしまう。そんなコト気にして観るようなもんではないことは重々承知だけど、正直ダメ映画に感じました。以下違和感あったリスト。
・ミスター・ノーバディどこ行ったん?
・リトルBいつ預けたん?
・今までジェイコブ何してたん?
・東京パート、マジで雑すぎじゃない?
・街破壊しまくった責任誰が取ってんの?
・潜水服で宇宙はナメてるよ…。
・宇宙から帰ったときに身元バレるよね?なに呑気にコロナビール飲んでんの?
まあ、他にもガバガバポイントはあったよ。ハンが生きてる理由の説明もよくわからなかったし、エルのバックストーリーも浅いし。でもそれは「ワイスピだから」の一言で許されちゃうわけ。勢いが大事だからね。ただ大事な部分がことごとく説明不足なのは、さすがに映画作品としてどうなんですかねっていう話で。
ミスター・ノーバディを出さないならそもそも飛行機に乗っていない設定にしておけばいいし、死んだか行方不明になったならその説明は必要だと思うのよ。続編で何かしらの形で出てくるのかも知れないけど、今作単体で見るともはや存在忘れてたんじゃねえかって思ってしまう。
あと、ジェイコブが兄であるドムを恨んでた理由もよくわからない。冒頭のカーレース事故の細工を父から口止めされてたにせよ、死に至らせるとは思ってなかったんだからそこは話してよかったんじゃない?そのへんの深堀りがないせいで、ジェイコブに対する感情移入もできないし、キャラクターとしても好きになれない。敵から味方になる展開も、過去にホブスやショウでやっちゃってる上にそのワクワク感を超えられてないからね。ジョン・シナはミームとして好きです。
で、ロンドンのセットで撮影されたという東京のパートも、許されないレベルに雑だった。『TOKYO DRIFT』以降シリーズを手掛けているジャスティン・リン監督だからエセニッポンなのは仕方ないにしても、レティとミアが偶然寄った店のブロックにハンの家があって、何故か勝手に入ったと思ったらどの勢力かも分からない敵が出てきて、外に逃げたらハンが結構近くのビルから狙撃。せっかくのハン復活シーンなのに、何もかもが雑でダサい。全然熱くなれなかった。
そして最後の宇宙パートよ。ロケットのエンジンを車につけて発射させるくらいは全然いいんだけどね?飛行機の中でアールらが「おいおい、これじゃ高度が足りないぜ?「成功するかはわかんねえや」って会話があったのに、無事発射できたときにそれに対するリアクションがないこと。車中でテズが「潜水服しか買えなかったんだよ!だから気密性はダメだぜ!」って発言をしてるのに、その流れを無視して宇宙空間に出れちゃうこと。雑だとかそういうのじゃなくて、セリフでクダリを作ったならそれを無視するのは脚本として破綻してるよねっていう。無視するなら最初から言わせないでいいんじゃないの?
他にも磁力や『無敵』のメタ発言など、ツッコミどころを探してたらキリが無いのでここまでにしておく。
まあ、最後の青いGT-Rが映ったときには目頭が熱くなったし、要所要所で流れる音楽もクールで良かった。ただ、スケールをでかくしすぎてもう車映画である必要性を失っちゃってる。空、氷河、宇宙と来たら次はなんだ、車で未来にでも行くんですか?10作目は『ワイルド・スピード タイムブレイク』もしくは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』というタイトルになるかも知れないね。
おわりに
褒めるところよりも不満点のほうが多くなってしまったけども、映画館で鑑賞した体験という部分ではかなり満足できた作品でした。車が走り、壊れ、爆発する!そんなド派手な映像を頭空っぽにして観る、夏にピッタリのおバカ映画。
けれどやっぱりカーアクションという意味では7作目の『スカイミッション』が一つの到達点であり、そこからは話のスケールを大きくしてそこに車を絡めようという作り方になっているので、どうしても作品としての評価は落ちてしまっている。宇宙でのハチャメチャが観たいならSF映画観ますしお寿司。
ぜひ次回はワイスピとしてあるべき姿を見つめ直して、「車!ファミリー!コロナビール!」って感じのアツい作品にしてほしい。エンドロールに出てきたあのハゲとハンの絡みにも期待。
最後に言わせて。スープラ万歳!!!!!